PDICの初公開
PDICは1990年にDOS版Ver.1が最初に公開されました。そのころは登録、修正、削除、検索だけの単純なもので、登録可能語数もたったの2,000語程度でした。それにもかかわらず、公開先のネットワークPC-VANでは多くのメールを頂きました。また、雑誌などにも紹介され反響の大きさに驚きました。
これに気を良くして、要望の強かった登録可能語数の増加を重点にVer.3を1991年に公開しました。登録可能語数も3万語となり、検索も充実し、私自身はこれで満足したので、しばらくバージョンアップは行いませんでした。
なお、Ver.2は非公開でした。
衝撃のバグ
しかし、1993年Nifty-Serveから一通のメールを頂いたのをきっかけに再びPDICのバージョンアップを余儀なくされました。それは、PDICが辞書破壊をしてしまう、という私にとっては衝撃的な内容でした。(ユーザーにとっては悲劇でしたが(^^;)このメールを元に動作確認を行ったところ、間違いなく辞書破壊をしていました。しかも、いくつかの場合で発生します。長い間、このバグのために多くの方に迷惑をかけていたかと思うと、何とも言えない気持ちでした。
それからというものPDICのバグ取りにかなりの時間を費やしました。バグのご報告を頂いた方々にもご協力頂き、なんとか除去する事ができバグフィックス版を公開しました。しかし、バグありバージョンが長かったため、辞書破壊で苦しむ人は今ではもういない、と確信できませんが。
新たな一歩
このバグをきっかけに、NIFTY-Serveの英会話フォーラム(FENG)がPDICのホームグラウンドとなりました。ここには多くの辞書が有り、今まで単なる個人の英単語登録プログラムだったものが、ここで始めて本当の英和辞書プログラムとなったような気がします。
このFENGでいろんなご意見を頂き、PDICもほぼ完成の域に達しました(まだまだ不満があるようですが)。そして今度は、以前から念願のWindows版を作成、ここに出来上がりました。
ここまでたどり着くには、まだまだここには書ききれない多くの事が有りました。そして、多くのご協力を頂きました。改めてその方々にはお礼を申し上げます。
Yoshiさん、みみさん、ありがとう!!
Hyper辞書形式
PDIC for Win32 Ver.3.00になって、辞書形式に大幅な辞書形式の拡張を行いました。実は、この構想はPDIC for DOS Ver.5.00を出した時点ですでにありました。なぜなら、ラージ辞書を新規作成すると、ちょっと大き目な辞書ができてしまう、辞書サイズなんてユーザーに選ばせること自体が間違っている、と感じていたからです。しかし、わたしの技術力不足、DOS,Windowsの非力さで、とても実現可能な状態ではありませんでした。最近は、CPUの性能、OSの安定性、開発環境の充実により、本格的に取り組むことができるようになり、ついに実現しました。恐らく、単一キーのデータベースでは、Hyper辞書形式は世界一ではないかと自負しています。(当時は)
辞書破壊
とにかく自分で使っていてもなかなか再現できなかったのが、辞書破壊。
しかし、Ver3.50になって終止符が打たれたような気がします。そんな実感がありました。
事実それ以来、辞書にまつわる不愉快な報告は来なくなりました。
さらに検証を続けて、確率の低い小さなバグを修正して、Ver.3.64で99.99%無くなったかな?
長かったなぁ〜。
今後のPDIC
まだまだやりたいことは山ほどあります。
しかし残念ながら時間が許してくれません。、これはいい!というアイデアがまだ埋もれたままです。
しかし、時が経つに連れてPDICの真似をしたり、わたしがやりたいことを実現しているソフトがたまに見受けられます。PDICを凌駕するソフトが出ればわたしはもうPDICの開発を終わりにしますが、まだまだです。PDICもまだまだです。
夢を実現する近道はどこにあるのか?
夢に近づくための努力を毎日続けるだけです。
Ver.4を最後に?
PDIC/W32では、EPWING/EBに正式に対応しました。おそらくこれでPDICは最強の辞書&語学学習ツールになったかもしれません。(という自画自賛・・・当時は)
この時点でだいたい最低限やりたいことはできたような気がするので、大きな機能追加はこの辺りで最後にしようと思います。すでに自分にとっても十分な学習ツールであるためです。これ以上の機能は楽しみながら、必要なものをちょっとずつ作っていこうと思います。
PDICはまだ潜在的にできることがたくさんあると思っていますが、それらは作者がまた必要と感じたときに。
ここに来て思うのは、PDICの基本は変わっていません。まじめに英語(語学)を勉強したい、辞書を有効に利用したい、そのための最強のツールであることに変わりありません。
ソフトウェアが人類にとって有益なツールの一つであり続けることを願って。